このウェブアプリは、IT業界で転職を希望する外国籍人材および高い語学力を持つ日本人と、グローバル人材を求める企業を効率的につなぐマッチングプラットフォームです。求職者はスマートフォンでスワイプ操作を通じて求人を閲覧でき、従来の検索型サイトとは異なる直感的な体験を提供します。AIが求職者の希望条件と企業側の採用ニーズをアルゴリズムで分析し、高精度のマッチングを実現します。企業は、求人掲載とスカウト機能を活用し、自社に適した人材を効率的かつコストを抑えて採用することが可能です。
チーム構成
PL:1名(本人)、
UX/UIデザイナー:3名(本人含む)、
エンジニア:1名
使用ツール
Figma、Figjam、Teams
期間
2025/03 - 2025/04(6週間)
タグ
MVP、Saas、b2b、b2c 、モバイルアプリ
クライアント企業からの依頼を受け、MVP段階のUX設計およびワイヤーフレーム作成を担当しました。プロダクトコンセプトや主要機能の構想はクライアント側で準備されており、それらをもとにターゲットユーザーの行動パターンを考慮しながら画面設計を進めました。求職者向けのモバイル版、企業担当者およびシステム管理者向けのPC版を設計し、合計72画面のワイヤーフレームを約6週間で作成しました。
なお、本プロジェクトは現在サービスとしてローンチされています。私の担当範囲はUX設計およびワイヤーフレーム作成までであり、その後のビジュアルデザインおよび開発はクライアントが委託した外部制作会社によって実施されました。
※契約上の理由により、サービス名称および一部機密情報は非公開としています。
日本国内では多くの求人プラットフォームが存在する一方で、求職者にとっては情報過多の中から自分に適した求人を見つけ出すのが難しく、特に外国籍人材にとっては言語や文化の壁によりマッチングの精度が低いという課題があります。また、企業側もエージェントに依存するとコストが高く、必ずしもマッチ度の高い人材と出会えるとは限りません。従来の検索型求人サイトでは、こうした課題に十分に対応できていない現状があります。
グローバル人材を求める企業と、日本で働く意欲のある外国籍求職者が、より高精度かつ効率的に出会えるマッチング体験を提供すること。また、企業が採用コストを抑えつつ、スキル・希望条件の合致した人材とつながれる環境を整えることを目指します。
本システムは、従来の検索依存型の求人サービスとは異なり、ユーザーの行動やニーズに基づいたアルゴリズムによって、より精度の高いマッチング体験を提供します。検索機能やスカウト機能を備えており、求職者と企業が互いに探し合う従来型のアプローチも可能ですが、加えて、システム側から最適なマッチング候補を提案することで、効率的かつ能動的な出会いを実現します。
特に求職者に対しては、検索の手間を省くことで、手軽かつスムーズな利用体験を提供しています。
求職者向けのインターフェースはスマートフォンでの利用を前提としており、求人情報をスワイプ操作で閲覧できるUIを採用しています。「応募」はもちろん、気になる求人は「保存」、興味のない求人は「スキップ」など、指先ひとつの直感的な操作で求人の選別が可能です。これにより、通勤中やちょっとしたスキマ時間にも、手軽に転職活動を進めることができます。
求職者がプロフィールや希望条件(職種、勤務地、給与帯など)を登録すると、システムは企業側の非公開条件も含めた求人情報と照合し、AIアルゴリズムによりマッチ度の高い案件を自動で推薦します。本アルゴリズムは、求職者のスワイプ履歴や閲覧傾向、保存・スキップといった行動データをもとに、時間の経過とともにその人の好みや志向を学習し、推薦の精度を高めていきます。これにより、検索や絞り込み操作をしなくても、求職者はより自分に合った仕事と効率的に出会うことができます。また企業側も、求人ごとに設定された希望条件とマッチする人材を自動で抽出できるため、スクリーニング作業の負担が軽減され、コストを抑えながらも質の高い採用活動を行うことが可能です。
勤務地や職種などの条件で求人を絞り込める基本的な検索機能を備えています。他の多くの求人サイトでも一般的に搭載されているため、使い慣れた検索体験を求めるユーザーにも対応できます。AI推薦と組み合わせることで、直感的な操作と能動的な検索の両方を提供します。
企業が条件に合った求職者を見つけて直接アプローチできる、求人サービスでは一般的な基本機能です。求職者にとっては「見つけてもらえる」安心感があり、自分では気づかなかった求人に出会えるなど、新たな選択肢につながる体験を提供します。
日本のIT業界での就業を目指す、外国籍人材および高い語学力を持つ日本人が主な想定ユーザーです。
※初期リリース(MVP)では、英語話者を対象としています。
本システムには以下の3タイプのユーザーが存在し、MVP段階では、各ユーザータイプに対応するデバイスは限定されています。
※本プロダクトは現在ローンチ前であり、NDA(秘密保持契約)に基づき、クライアントから提供された一部の詳細情報は非公開としています。
以下より、デザイナーチームが主導で担当したパートになります。
本構成図は、求職者、クライアント、システムアドミンの3つのユーザータイプを対象とした、アプリ全体の構造を示しています。クライアントから提示された機能要望をもとに、予算とのバランスを考慮しながらスクリーン数を調整・絞り込み、クライアントと協議を重ねたうえで、MVPとして実装するスクリーンを決定しました。
本プロジェクトでは、クライアントの予算内でMVPを実現することが求められました。初回のワイヤーフレーム完成後に開発工数の見積もりを行った結果、予算を大きく上回ることが判明したため、社内で画面構成や情報設計を見直し、優先度の高い機能へ開発リソースを集中できるよう再設計を行いました。
その結果、ユーザビリティや要件を維持しながら画面数や画面遷移を最適化し、当初案と比較して、デザイン・実装・QA・保守までを含めた開発全体で約168時間の工数削減を見込める構成となりました。
以下は、そのために実施した主な設計上の工夫です。
結果として、次フェーズ以降のスプリント全体を通じて、デザイナーとエンジニアの双方で合計約168時間の工数削減が見込まれます。画面数を抑えつつも、ユーザビリティや要件を損なわない設計とすることで、制約下でも最大限のプロダクト価値を届ける構成を目指しました。以下は、主な工夫内容となります。
最適化によるデザイナー・エンジニア側のメリット:
※本プロジェクトの契約範囲は、求職者向け・企業向けワイヤーフレームの制作まででした。工数削減効果は、当初案と最適化後の画面構成を比較し、UIデザイン・実装・QA・保守を含めた開発全体を対象に試算しています。
この方法は今回のスプリントでの工数及び、次フェーズ以降のモックアップ作成・開発で工数削減に貢献します。
背景:
情報構造を明確に保つため、「グローバルナビゲーション → ローカルナビゲーション → 各コンテンツ」という3階層の導線設計を当初は想定していました。
設計判断:
求職者側のメリット:
この方法は次フェーズ以降のモックアップ作成・開発で工数削減に貢献します。
背景:
初回登録時は、1画面あたりの情報量を抑え、入力内容を把握しやすくするため、基本情報の入力を2画面に分けて設計していました。
変更点:
企業側のメリット:
この方法は今回のスプリントでの工数には大きく影響はありませんが、次フェーズ以降のシステムアドミンのワイヤーフレーム及びモックアップ作成・開発で工数削減に貢献します。
背景:
MVPフェーズでは、システムアドミン画面は優先度が低く、限られた開発リソースをコア機能へ集中させる必要がありました。そのため、必要十分な機能を満たしつつ、効率的に設計できる構成を検討しました。
設計判断:
システムアドミン側のメリット:
本フェーズでは、求職者によるレジュメの登録から、スワイプや検索による求人探索、スカウトの受信・応募管理までの一連の操作フローを、ユーザー視点で設計しました。具体的には、直感的に求人を探せるスワイプ画面に加え、スカウトメッセージの確認や応募状況の管理などの画面を設計しています。
※以下に、ワイヤーフレームの一部を抜粋して掲載しています。
※NDA(秘密保持契約)に基づき、一部デザインを編集しています。
求職者の活動履歴を考慮した設計アプローチ
求職者が自身の応募状況を把握しやすくするため、「応募中」「保存済」「スカウト受信済」「非表示(ディスライク)」などの状態を明確に分類し、視認性と整理性を重視して設計を行いました。
操作負担を減らし、迷いなく目的の情報にたどり着けるよう、状態ごとの役割や利用シーンを洗い出し、表示や導線に反映しています。UI全体の一貫性を保つため、他画面と共通するナビゲーションやレイアウト構造も踏襲しました。
企業サイドでは、求人票の作成、求人票に記載されないサーチ条件の設定、スカウトメッセージの送信、求職者の選考状況管理(インプロセス、不採用、スカウト送信、保存)、およびダッシュボードによる採用活動全体の可視化・進捗確認が可能です。
※以下に、ワイヤーフレームの一部を抜粋して掲載しています。
※NDA(秘密保持契約)に基づき、一部デザインを編集しています。
各プロセス対応の優先度と可視化の工夫
選考プロセスが進行中の求職者に対して、企業側が迅速に対応できるよう、ステータス別に求職者の状態を明示。特に面接調整が必要な求職者や対応が遅れることで影響が出るフェーズにいる求職者を一覧上で一目で確認できるようにし、対応漏れを防ぐ設計としています。企業内の選考フローに合わせたステータス管理により、スムーズかつ戦略的な採用活動が可能になります。
求職者および企業向けのワイヤーフレーム完成後、クライアントより開発予算をさらに抑えたいとの要望がありました。これを受けて、各スクリーンの優先度を再検討し、必要最小限の構成に調整。コストを最適化した上で、見積書を再作成・提出しました。
※NDA(秘密保持契約)に基づき、詳細は伏せております。
本プロジェクトでは、「限られた予算の中でアプリ全体を効率よく設計する」という点が大きな課題でした。業界のUIトレンドをリサーチするだけでなく、ユーザビリティの視点から本当に必要な体験を見極め、構造を最適化することの重要性を改めて実感しました。
また、プロジェクト初期の段階では、クライアントがMVPの範囲を明確に定めきれていない状況でした。その中で、スクリーンリストやサイトマップの整理、求職者・企業向けのワイヤーフレーム設計など、初期構成の整理・可視化を行い、プロジェクトの方向性を具体化していきました。結果として、設計後に再度優先度を見直す必要があり、一部作成したスクリーンがMVPには含まれない結果となりました。今後は、要件が固まっていない状況でも早期に優先順位の提案を積極的に行い、より効率的な設計プロセスを実現できるよう取り組んでいきたいと考えています。